桜島を目の前に臨む位置に、凛と佇む御岳蒸留所。ジャパニーズウイスキーの蒸留所の中でも、最も風光明媚な場所に建つと言っても過言ではないでしょう。
テイスティングマーケットが4周年の節目に選んだのは、初のジャパニーズウイスキー。買い付けていた樽を今年の
5月にテイスティングしたところ、オロロソシェリーバットのふくよかさと、御岳蒸留所が丁寧に作りこむ「喉を滑るようなクリアな飲み口」のバランスが最も取れている状態でした。そこでその瞬間を捕まえるべく、即ボトリングに移りました。初のジャパニーズウイスキーのリリースということで、こちらも初めての試みとして、テイスターに新橋「MIXOLOGY HERITAGE」の伊藤学氏を迎え、テイスティングしていただきました。極上の水割りを作る氏の官能は、どのようにこのボトルを受け止めたのか。ぜひ併せてご参考ください。
伊藤学氏
1993年、漫画『BAR レモン・ハート』の著者 故古谷三敏氏が経営する『BAR レモンハート』に移り、以後16年にわたり同店に勤務。六本木の「Ne Plus Ultra」のマスターバーテンダーを経て、2017年スピリッツ&シェアリング株式会社に入社し、技術統括部長に就任。大手メーカーの有名ブレンダーや有名酒販店のマニアたちも絶大な頼を寄せる。現在はバーテンダーの教育をしながら、MIXOLOGY HERITAGEにて店主とし
THE ONTAKE DISTILLERY
的品蒸徵所
て日々カクテルの腕を振るう。
【テイスティングノート】
御岳蒸留所を所有する西酒造は、「富乃宝山」や「天使の誘惑」など華やかでフルーティーな焼酎のイメージがあるが、ウイスキーは初めてだった。ウイスキー市場は近年ニューポットや3年、5年などのリリースが増えた。3年の熟成で、シェリー樽特有の香りや味わいをどのくらいスピリッツにのせていけるかが腕の見せどころ。
香りにはしっかりとクリームシェリー、フルーツケーキ、バニラなどが際立ち、期待をさせる。味わいは、その熟成期間からアルコール感がガッツリくると思いきや、ソフトな麦の甘みにオロロソシェリーの樽味がきれいにのって、クリームシェリーへと変化する。
長く寝かせたらどうだったか、などと想像したりもするが、これは「今」詰めたからこそのカスクの度数や糖度のバランスであり、若い麦の甘さがのった最初のピークでしか味わえない。素晴らしいタイミングだと思う。西酒造の創り出すお酒イメージのフルーティー、アルコールと甘さのバランス、華やかでクリーミーといった作り手の想いを、ベストコンディションで体験でき
ミクソロジーヘリテージ 伊藤学
