「ART SESSION」シリーズについて
私達がセレクトするウィスキー・スピリッツと過去・現在を問わず様々なアーティスト・アート作品とのコラボーレーション。
それらを「Classic」、「Contemporary」にアプローチを分けシリーズ化したもの。
私達は常により良い原酒を探し求めます。
またラベルにしてもしかり、その味わいに相応しい美しさや表現を大事にしてゆきたいと考えます。
⽶⽥知⼦ 略歴
1965 年 兵庫県⽣まれ、ロンドン在住。20 世紀のイデオロギーをテーマに、徹底した対象 へのリサーチを重ねる⽶⽥知⼦はこれまでに戦争や震災の傷跡が残る⽇本国内以外にもヨ ーロッパ、東欧、アジアなど幅広い地域において記憶が強く残る場所に訪れて制作を続ける。 写真を通して⼟地やものに宿る歴史的真実に迫り、詩的な感性をたたえた情景の背後に幾 層にも重なる記憶を呼び起こす。 主な展覧会に「Faultlines」⼤和⽇英基⾦(ロンドン、2025)、「氷晶」シュウゴアーツ(東 京、2024)、「Tomoko Yoneda」マフレ財団(マドリッド、2021)、「第 12 回上海ビエンナー レ 」(2018 年)、「第 10 回光州ビエンナーレ」(2014 年)、「あいちトリエンナーレ」2013 年など。

Courtesy of ShugoArts, Photo by Tomi Räisänen
・作品説明
「Between Visible and Invisible」シリーズについて:
Between Visible and Invisible(1998 年〜)は、表⾯上のイメージ(visible)が、そこに浮か び上がってくる歴史上の事実、また登場⼈物についての認識など表⾯下のイメージ (invisible)と相関し、さらに新しいイメージを創りだすことを試みている。眼鏡は「⾒る =知覚」を導くためのひとつの提喩である。 作品の登場⼈物達は、いまに続く歴史と知の 流れに、影響を与えた⼈々であり、彼らの多くは、時代に翻弄され、そして歴史の⽬撃者に なった⼈々です。私は眼鏡という、極めてプライベートな所持品であり、⾒るという⾏為を 助けるレンズを通して、彼らの内⾯を垣間⾒る、という擬似体験をこの作品で試みています。
「ブレヒトの眼鏡—ベンヤミンからの献辞を⾒る」について:
激動の時代に⽣き、お互いに影響を与え合った劇作家ベルトルト·ブレヒトと評論家·思想家 ヴァルター·ベンヤミン。ベンヤミンからの献本に記された⾔葉は、ブレヒト戯曲『三⽂オ ペラ』(1928)からの引⽤です。『……なぜって、⼈間はこの世で⽣きていくためには⼗分な ずるさを持っていない…』この⼀⾔が、彼らが⽣きていた苦境の時代、また、その後たどる こととなる運命を⽰唆しているようです。ベンヤミンは、ナチスによるフランスの占領が進 む中、ユダヤ⼈であったことから迫害を逃れるため、スペインとの国境を⽬指して逃げまし た。そして、やがてブレヒト⾃⾝もドイツを脱出する運命に向かうこととなります。彼らの 作品と美学は、光と影が交差するその時代を照らし、今もなお我々の⼼に深い響きを持ち続 けています。
マラガの陽、和菓子の甘美。
ART SESSION CONTEMPORARY第7弾の原酒に選ばれたのは、1821年創業、安定したクオリティの高さを誇り、その華やかでフルーティな甘みがあるハウススタイルが通好みの愛好家やプロに高い評価を得て、人気も高まっているスぺイサイドの佳酒・リンクウッドの14年熟成でマラガカスクで後熟が施された原酒。(マラガとはスペイン南部アンダルシア州マラガ県で造られる甘口中心の伝統的な酒精強化ワイン。)
ラベルには、ロンドンを拠点に国内外で活躍する写真家・米田知子の「Between Visible and Invisible」を採用。マラガカスクという“見える”情報、そして、そこからは“見えない”甘美なフレイバー。
バラエティに富んだドライフルーツの香味と心地よいスパイス。あんこが入った和菓子を思わせる奥深く優しい甘さがとても印象的な1本。
Tasting comment by 北梶 剛
【香り】イチジク、レーズン、煮リンゴ、大麦糖、マラガワイン、ヘーゼルナッツ、アンティークの家具、削りたての鉛筆、若木。
【味わい】砂糖漬けの果物、マーマレード、ドライアプリコット、プルーン、フルーツグラノーラ、ローストアーモンド、ハチミツバタートーストとコーヒー。
【フィニッシュ】黒糖まんじゅう、どら焼き、ほうじ茶、徐々にドライでビターに変化し、ジンジャーや山椒のスパイスが心地よく続く。
【コメント】マラガカスク熟成がもたらしたバラエティに富んだドライフルーツの香味と心地よいスパイス。あんこが入った和菓子を思わせる奥深く優しい甘さがとても印象的な1本。
