安積蒸溜所
安積蒸溜所の歴史は、1946年にウィスキー免許を取得した山桜酒造にはじまる。笹の川酒造としての歴史は300年を超え、猪苗代湖の南に創業した1710年にさかのぼる。戦後の混乱を経て、高度成長期の1980年代、「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれ、笹の川酒造が送り出したチェリーウィスキーは北の雄として人気を得た。しかし、世は移り嗜好の変化とともにウィスキー不遇の時代が訪れ、ウィスキーを詰めた熟成樽は倉の奥で眠る事となる。2003年には、東の東亜も暖簾をおろすこととなり、紆余曲折の末、羽生蒸溜所の原酒も笹の川酒造が預かることとなる。この原酒こそイチローズモルトであり、世界に発信されるジャパニーズウィスキーの文化の一旦を担ったとも言えよう。
そして、2016年冬、現在の安積蒸溜所が始動することとなる。

“百世不磨”とは百代という長い年月を経ても磨り減らない意で、永久に価値を保ったまま存在し続ける事を表す言葉。
約100年に及ぶ日本のウィスキー製造の歴史に敬意を表し、「SEEK THE ULTIMATE」のテーマの元、日本の蒸溜所で樽詰めされた原酒から、RUDDER LTD.によって特別に厳選、瓶詰めされたオリジナルのシリーズである。
第6弾は、1765年創業の笹の川酒造より、ウィスキー免許を取得した山桜酒造の系譜に連なる安積蒸溜所の原酒。日本初となる国産アマーロ“スカーレット”の空樽で追熟を施したノンピート原酒とピーテッド原酒が絶妙なバランスでブレンドされた。伝統と革新が融合した1本を味わいながら、日本のウィスキー文化の次の100年の更なる発展と成功を祈念したい。
テイスティングコメント
香り:シナモン、リコリス、柏や食用鬼灯の葉、フラワーショップ、後からフルーツミントキャンディ、アセロラ、柑橘の皮。時間と共にスモークが沸き上がる。
味わい:ブラッドオレンジ、ピンクグレープフルーツ、レッドカラント、クランベリー、苺ジャム、熟したリンゴ、ジンジャーシロップ、ヘザーの花、実山椒。甘苦く、徐々にスパイシーに変化する。
フィニッシュ:パッションフルーツの種、クロスグリの葉、アップルミント。山椒、新生姜、ホワイトペッパーのスパイスが長く続く。
コメント:安積ならではの酸味を帯びた果実感をベースに、オークのスパイスとアマーロ樽由来のスパイスが調和。ピーテッド原酒がそれらのフレイバーをより多層的に感じさせてくれる、驚くべき香味と展開を感じさせてくれる1本。
Tasting comment by 北梶 剛
