Gordon&MacPhailは、スコットランド北東部のエルギンにて1895年に設立された、長い歴史を持つインディペンデント・ボトラー。中でも「Connoisseurs Choice」は同社を代表するフラッグシップシリーズの一つであり、このCream Map Labelは1989年から1996年頃までの期間に採用されていた。
グレンアギー蒸溜所は1831年、スコットランド北東部アバディーンシャーの港町ピーターヘッドに創業。当初は「Invernettie」の名でスタートし、その後幾度もの所有者変更や操業休止を経験した。1950年代以降は設備の近代化が進められ、生産された原酒の多くはブレンデッドウイスキー「Long John」を支える重要なモルト原酒として使用されていたため、シングルモルトとして市場に姿を現す機会は極めて限られていた。
しかし1980年代初頭のウイスキー不況の影響を受け、グレンアギーは1983年に完全閉鎖。その後蒸溜所設備は解体され、生産が再開されることはなかった。閉鎖後もシングルモルトとしての知名度は決して高くなかったが、残された原酒の評価は高く、現在では失われたハイランド蒸溜所を代表する存在のひとつとして、愛好家やコレクターから注目されている。
このボトルは、蒸溜所がまだ活発に稼働していた1966年に蒸溜され、1991年にボトリングされた25年熟成。Gordon&MacPhailの「Connoisseurs Choice」から40%でリリースされたCream Map Label時代の一本である。奇しくも1966年はグレンアギーの年間生産量が約35万7千ガロンに達していた時期でもあり、蒸溜所が安定した生産を続けていた時代の原酒を約四半世紀の熟成を経て味わうことができる。
古いグレンアギーは、厚みのあるモルトを軸に、熟した果実や蜂蜜、ワックス、オイルを思わせるクラシカルな酒質で知られている。長い熟成を経た1960年代原酒では、その豊かな質感に熟したリンゴや洋梨、柑橘、トロピカルフルーツを思わせる果実味が重なり、バニラやナッツ、穏やかなオークとともにゆっくりと変化していく。華美な樽香ではなく、古いハイランドモルトらしい太さとオイリーな質感、熟成によって引き出された果実味をじっくりと楽しみたい一本である。
1983年の閉鎖から既に40年以上が経過し、現存するグレンアギーの原酒は減少の一途を辿っている。本ボトルは、シングルモルトとしてほとんど世に出ることのなかった蒸溜所の1960年代原酒を、Gordon&MacPhailが豊富な古酒ストックを保有していた時代のCream Map Labelで味わうことができる、今後ますます貴重になっていくであろう一本である。
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