Gordon&MacPhailは、スコットランド北東部のエルギンにて1895年に設立された、長い歴史を持つインディペンデント・ボトラー。中でも「Connoisseurs Choice」は同社を代表するフラッグシップシリーズの一つであり、このCream Map Labelは1989年から1996年7月までの期間にボトリングされたロットに採用されている。
グレンロッキー蒸溜所は、1898年にスコットランド西部のフォート・ウィリアムで創業。ベン・ネヴィス山の麓に位置し、かつてこの町に存在したベン・ネヴィス、ネヴィス、グレンロッキーという3つの蒸溜所の一角を担っていた。長らくブレンデッドウイスキー用原酒の供給を中心としていたため、シングルモルトとして世に出る機会は少なく、現在では知る人ぞ知る「失われた蒸溜所」のひとつとなっている。
蒸溜所は第一次世界大戦後の1919年にDCLの傘下へ入り、その後SMDによって操業が続けられたものの、1980年代に訪れたスコッチウイスキー不況の影響を受け、1983年に閉鎖。その後生産が再開されることはなく、建物の大部分も失われた。オフィシャルボトリングは極めて限られており、現在市場に残るグレンロッキーの姿は、Gordon&MacPhailをはじめとするインディペンデント・ボトラーによって残された原酒から窺い知ることができる。
このボトルは、閉鎖のおよそ9年前となる1974年に蒸溜された原酒を、Gordon&MacPhailが「Connoisseurs Choice」としてボトリングした一本。古いグレンロッキーは、麦芽の厚みを土台に、リンゴや洋梨、柑橘を思わせる果実味、ワックスやハーブ、ミネラルを思わせるクラシカルなハイランドモルトのニュアンスが特徴。時間とともに蜂蜜やバニラ、ナッツ、穏やかなオークが現れ、派手さよりもじっくりと変化していく奥行きのある酒質を楽しむことができる。
1983年の閉鎖から40年以上が経過し、グレンロッキーの原酒そのものが市場から徐々に姿を消しつつある現在、本ボトルは1970年代の蒸溜所の姿を伝える貴重な存在。Gordon&MacPhailが豊富な古酒ストックを保有していた時代ならではの1974ヴィンテージを、今では懐かしいCream Map Labelで味わうことができる、失われたハイランドモルトの歴史を感じさせる一本である。
年数を経てきたオールドボトルは栓を抜いて飲んでみなければ、味わい、飲み頃、ピーク、ダメージ等を確かめることが出来ません。
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