今回はコンパスボックス社がリリースした限定品「アートアンドデカダンス」をご紹介いたします。コンパスボックス社はジョン・グレイサー氏が、2000年に創業しました。同社の新しいことに挑戦する姿勢が認められ、多くの人々から賞賛を受けており、ウイスキーマガジン誌の「イノベーター（革新者）オブザイヤー」を4度も、またウイスキーアドヴォケート誌の「パイオニア（開拓者）オブザイヤー」を2度受賞するなど、市場での評価は高まる一方です。今年になり、ジョン・グレイサー氏は一線を退き、共にブレンディングを担当していたジェームス・サクソン氏が新しいウイスキーメーカーとしてブレンデッドウイスキーを担っています。
今回ご紹介するのは限定品のブレンデッドウイスキー「アートアンドデカダンス」です。絵画に詳しい方はご存知かと思いますが、「デカダンス」とは、美が全てという耽美主義に代わって、19世紀末に盛んになった退廃主義のことで、不必要なものを描くといったムーブメントでした。この「アートアンドデカダンス」のようなウイスキーはもしかすると必需品ではないかもしれません。そして、それがこのウイスキーの狙いなのです。もちろんナチュラルカラー＆ノンチルフィルターで、49%で瓶詰め、世界で9,126本リリースの完全限定品です。公表されているレシピは、
モルトの蒸留所ではグレンマレイのファーストフィルオロロソシェリー樽24.1％、バルメナックのソーテルヌワイン樽17％、マデイラワイン樽13.6％にマルサラワイン樽9.2％、リンクウッドのファーストフィルパロコルタドシェリー樽14％、グレーンの蒸留所ではポートダンダスのリフィルシェリー樽19.7％、樽熟していたブレンデッドウイスキーが2.4％となっています。色は深いオレンジ、香りはチェリー、ベリー、シナモン、ソーテルヌ、トフィー、ボディはレーズン、フィグ、ベリー、優雅なフローラル、フィニッシュはカカオビターとベリーが綺麗に続きます。シェリー、マデイラワイン、マルサラワイン、ソーテルヌ、これだけ個性的なカスクを見事にブレンドして綺麗に仕上げているのは流石の一言です！ウイスキーの熟成に使用するカスクの面白さを改めて堪能できる逸品です。
テイスティングノート
リッチでアロマたっぷりの香り、赤いリンゴにワックスがけの木、赤ワイン、クリーミーで甘草、バナナ＆トフィーとカスタードクリーム、ソーテルヌワイン、味はドライフルーツ、レーズン、アプリコット、リンゴのたっぷりのバニラ、ダークチョコレートと香り高いオークフレーバーが長く続く。
