「ART SESSION」シリーズについて
私達がセレクトするウィスキー・スピリッツと過去・現在を問わず様々なアーティスト・アート作品とのコラボーレーション。
それらを「Classic」、「Contemporary」にアプローチを分けシリーズ化したもの。
私達は常により良い原酒を探し求めます。
またラベルにしてもしかり、その味わいに相応しい美しさや表現を大事にしてゆきたいと考えます。
【若いマンゴーとメロンクリームソーダ】
第3弾の原酒に選ばれたのは、1852年創業、ゲール語で『緑の谷間』の意を持つダルユーイン蒸留所。
1991年にオフィシャルの16年物が花と動物シリーズでリリースされるまでは全てブレンド用で、シングルモルトはボトラーズからのリリースに限られていた蒸留所のカスクストレングス、シングルカスクの原酒になります。
今回はバラエティに富んだフルーツフレイバーの力強さ、そして、25年の熟成が生み出す飲み応えと展開力が素晴らしい1樽。
光る原酒が多いダルユーインの1992年蒸留のポテンシャルが惜しみなく感じ取れる1本。
ラベルには18世紀に活躍したスコットランド出身のアーティスト、Alexander Nasmythが手がけたクラシックな風景画が採用されており、第4弾と並べるとエディンバラ近郊の美しきホーソンデン城の全容が楽しめます。
アレクサンダーナスミス(Alexander Nasmyth)
1758年9月9日、スコットランド・エディンバラ生まれ。
有名なロバート・バーンズの肖像画も手がけた肖像画と風景画家であり、アラン・ラムゼを師事した一人。
ラベルとなったHawthornden Castle(ホーソンデン城)は広く知られる作品である。
テイスティングコメント
香り:バニラ、白檀、ホワイトペッパー、バーボン樽、新木系由来のオークのスパイス。
ややグラッシー、シードル、徐々にメロンシャーベットやスイカのアイスキャンディ。
味わい:メロンクリームソーダ、若いマンゴーやパッションフルーツ、カットしたパインアップル、ドライアプリコット、アカシアの蜂蜜。ふくよかなボディ。
フィニッシュ:オールドボトルのコアントロー、チリスパイスを振りかけたドライマンゴー、ジンジャー、ドライに変化しつつも長く続く。仄かにオレンジの花が香る。
コメント:バラエティに富んだフルーツフレイバーの力強さ、そして、25年の熟成が生み出す飲み応えと展開力が素晴らしい1本。
経験上、1992年蒸留のダルユーインは光る原酒が多くこの1樽も例外ではないと言えよう。
Tasting comment by 北梶 剛