今回はアイリッシュウイスキーのイメージを変えたインディペンデントボトラー「ティーリング」から、同社がリリースした新しいシリーズ「ライジングリザーブ」から、第一弾となる21年熟成カルカベロス樽フィニッシュをご紹介いたします。ティーリングでは「ヴィンテージリザーブ」という長期熟成の上級シリーズがありますが、こちらは少し若いミドルレンジの熟成品のシリーズで、かつ酒精強化ワインやスティルワインでフィニッシュをかけた46%のシリーズです。
ティーリングウイスキー社はアイルランドのダブリンに本拠を構えるインディペンデントボトラー(独立瓶詰業者)です。アイリッシュウイスキー業界にアイルランドの“独立”の気運を再び取り戻そうと、当時のクーリー社の社長であったジャック・ティーリング氏が、ハンドクラフト&スモールバッチのアイリッシュウイスキーを作るべく、クーリーを離れて2012年に設立しました。ティーリング家はダブリンでウイスキーの生産が盛んだった1700年代に既にウイスキーの蒸留所を所有していました。そんな同家とゆかりがあるダブリン市内の有名なセントパトリック大聖堂から僅か500メートルの距離にティーリング蒸留所がオープンしています。ダブリン市内周遊観光バスのルートにも含まれており、既に有名スポットとなっております。今回の「ライジングリザーブ」21年熟成は、バーボン樽で熟成したシングルモルトを約4年間ホワイトポートである「カルカベロス」ワイン樽でフィニッシュをかけ46%で瓶詰めし、全世界で6,000本が限定発売されました。テイスティングしましたが、色はオレンジがかった琥珀色、香りはマスカット、グレープタルト、バニラピーチ、ハニー&ナッツ、ボディはソフトでエレガント、バニラ&マスカット、奥からゆっくりピーチ、ドライアプリコット、フィニッシュはフルーツティーから心地よいスパイスと軽いウッディーなテイストが続きます。ライジングシリーズの第一弾はホワイトポートカスクフィニッシュ!ティーリング20年オーバーのフレーバーには甘めのワインカスクが良くハモリますが、これも期待通りでした!ティーリングらしい魅惑のフルーティーテイストに、カスクフィニッシュによってバニリンとは別のマスカットテイストが加わり、より立体的なテイストに仕上がっております。21年熟成でこの価格でしたらコスパも悪くないですが、唯一日本への入荷本数が大変少ないのが残念です・・・。今後もマルサラやルビーポートフィニッシュなど全部で5種類のリリースが決まっていますので、今後のリリースにもご期待ください。
テイスティングノート
香りはグリーンアップル、ハニー&シトラスに綿あめ、味は煮こんだフルーツ&キャラメル、ウッディなタンニンとシナモンのスパイス。フィニッシュは長くてウッディ、リッチなローストしたカカオ。