三郎丸蒸溜所
1862年創業の清酒蔵・若鶴酒造が開設した北陸初のウイスキー蒸溜所。1952年にはウイスキーの製造免許を取得した。翌53年春、「サンシャインウイスキー」を世に送り出す。
創業当時から日本では珍しいヘビリーピーテッドのスモーキーなウイスキーのみを仕込む蒸溜所であり、2019年6月には世界初となる鋳物製のスティル「ZEMON」を導入。年々、設備もアップデートされ、既成の枠にとらわれない試みが注目されている。
“百世不磨”とは百代という長い年月を経ても磨り減らない意で、永久に価値を保ったまま存在し続ける事を表す言葉。
約100年に及ぶ日本のウィスキー製造の歴史に敬意を表し、「SEEK THE ULTIMATE」のテーマの元、日本の蒸溜所で樽詰めされた原酒から、RUDDER LTD.によって特別に厳選、瓶詰めされたオリジナルのシリーズである。
第9弾は、1862年創業の若鶴酒造が、1952年にウィスキー製造 免許を取得した三郎丸蒸溜所の原酒となる。2020年より採用された 木桶の発酵槽による乳酸発酵を連想させるモルティでフルーティな香 味、それらを背後から支える内陸系の豊かなピートが印象的。三郎丸蒸 溜所の進化が感じられる。日本のウィスキー文化の次の100年の更な る発展と成功を祈念したい。
テイスティングコメント
【香り】ヨード、救急箱、芝土、樺の木、ヘザーの花、松脂。薬品系と内陸(コケ)系のピートフレイバーをバランス良く感じる。メスカル、ステーキの上のパイナップル。
【味わい】バニラ、甘いオーク、レモンキャンディ、グレープフルーツの綿、すだちのシャーベット。すぐに泥炭の煙が焚き上がり、正山小種紅茶、焚き火。ややオイリーなボディ。
【フィニッシュ】柑橘皮の砂糖漬け、エールビール、お香。ジンジャー、クローヴ、ホワイトペッパー等オークのスパイスが心地よいスモークとともに長く続く。
【コメント】2020年より採用された木桶の発酵槽による乳酸発酵を連想させるモルティでフルーティな香味、それらを背後から支える内陸系の豊かなピートが印象的。進化を続ける三郎丸。
Tasting comment by 北梶 剛