LESS IS MORE
ミニマルな世界の中でシンプル且つストイックにウィスキーと向き合うTHE
ULTIMATE SPIRITSのPHYSICAL SHOPのデザインにもリンクするテーマで、世界三大
建築家の1人であるドイツ出身の建築家ミース・ファン・デル・ローエが残した名言。
「より少ない方がより豊かである」と訳され、その真意は、感性や計算により余計な
ものをそぎ落としたシンプルな世界観やデザインの美しさを表している。
“百世不磨”とは百代という長い年月を経ても磨り減らない意で、永久に価値を保ったまま存在し続ける事を表す言葉。
約100年に及ぶ日本のウィスキー製造の歴史に敬意を表し、「SEEK THE ULTIMATE」のテーマの元、日本の蒸溜所で樽詰めされた原酒から、RUDDER LTD.によって特別に厳選、瓶詰めされたオリジナルのシリーズである。
第10弾は、1862年創業の若鶴酒造が、1952年にウィスキー製造免許を取得した三郎丸蒸溜所で仕込み、ブレンドが行われたブレンデッドモルト。旧改造ポットスティルで蒸溜された最後の年となる2018年蒸溜の原酒をキーモルトに、スコットランドで5年以上熟成されたピーテッドモルト原酒、同じくスコットランドで7年以上熟成されたシェリー樽熟成のモルト原酒のみをブレンド、その後、更に三郎丸蒸溜所で3年間の熟成が施された。三郎丸蒸溜所のポテンシャルが感じられるそぎ落とされたレシピ。日本のウィスキー文化の次の100年の更なる発展と成功を祈念したい。
テイスティングコメント
【香り】削りたてのかつお節、オーク、松葉、テレビンオイル、鉛筆。焚き火や燃えさし、漁網、芝土。
【味わい】煮リンゴ、大麦糖、アプリコットキャンディ、熟したバナナ、バブルガム。ミルクを浸したコーンフレーク、海藻、干し草、泥炭の煙。
【フィニッシュ】樹液、乾燥茶葉、タバコ、タールやお香。トーストとコーヒー、甘いオークとタンニンが心地よく続く。
【コメント】2021年にリリースされたボトルから更に3年の熟成を経て、より熟成感と果実味が明確に感じられるようになった。ウッディでピーティー、そしてフルーティなフレイバーのバランスにより磨きがかかった。旧改造スティルのワイルドなフレイバーが原酒により深みを与えている。
Tasting comment by 北梶 剛