マルス信州蒸溜所
本坊酒造は終戦後間もない1949年にウィスキーの製造免許を取得。顧問である岩井喜一郎の指導の元、ウィスキーの製造を開始。その後、山梨工場の竣工を経て、1985年に長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地に蒸溜所を開設されたのがマルス信州蒸溜所。冷涼で、霧が深く、3000m級の山々に降り注いだ雨や雪解け水。中央アルプス駒ヶ岳山麓の美しく緑深い森に囲まれた蒸溜所は、澄んだ空気の静寂の中に佇んでいる。
“百世不磨”とは百代という長い年月を経ても磨り減らない意で、永久に価値を保ったまま存在し続ける事を表す言葉。
約100年に及ぶ日本のウィスキー製造の歴史に敬意を表し、「SEEK THE ULTIMATE」のテーマの元、日本の蒸溜所で樽詰めされた原酒から、RUDDER LTD.によって特別に厳選、瓶詰めされたオリジナルのシリーズである。
第5弾は、1909年から100年以上に渡り酒造りに取り組んできた 本坊酒造が、1985年に開設したマルス信州蒸溜所の原酒“駒ヶ 岳”。1992年に日本市場の需要低迷により休止されるが、2011年 に19年ぶりに蒸溜が再開。
今回の1樽は、1992年閉鎖前に蒸溜されていた頃の原酒のオーキーで フルーティな香味が最も感じられた原酒が選ばれた。伝統と革新のバ ランスを感じさせる最上の樽を味わいながら、日本のウィスキー文化の次の100年の更なる発展と成功を祈念したい。
※近日中に第6弾もリリースとなりますのでお楽しみに
テイスティングコメント
香り:アップルキャンディ、モンキーバナナ、トロピカルフルーツのフーセンガム、甘い オーク、バニラと蜂蜜、奥から漂う薔薇の甘い香り。
味わい:ドライアプリコット、煮リンゴ、黄桃缶のシロップ、マーマレード、砂糖漬けの果物、ミックスジュースやロイヤルミルクティー、飴玉、ヒースの花とお香。
フィニッシュ:イチゴジャムパン、アップルパイ、柑橘の皮、紅茶味のビスケットから、ナツメグ、ホワイトペッパー、山椒のスパイスが長く続く。
コメント:今回の1樽は、1992年閉鎖前に蒸溜されていた頃の原酒のオーキーでフルーティな香味が最も感じられた原酒が選ばれた。2011年の再開から12年以上が経過するマルス信州蒸溜所。その実力は閉鎖前を凌駕したといっても過言ではないだろう。
Tasting comment by 北梶 剛