1871年Alexander Wilson & Co.によって創業されたインチガワー蒸留所、その後、1938年にArthur Bell & Sons社が買収している。
今回、目黒の名店・THE MASH TUN TOKYOのオーナー鈴木氏と盟友であるClub QingのAaron Chan氏が厳選した1樽がインチガワーの1998年蒸留の原酒。
CLUB QINGの人気シリーズ「Scary Tale」でもシスターカスク#9992がリリースされ、高い評価を得ている。
今やボトラーでも入手が難しくなっているスペックから今回は同時リリースでBar SALVAdOR向けの#9994も用意されており、CLUB QINGのコネクションの強力さを感じさせる。
両店のマスターとAaron氏、弊社の4者で一致したインチガワーの長熟レンジはモルトシーンに驚きを与え、今後のリリースへの1つの指針となるだろう。
いずれも輪郭のあるフルーティーさを携え、このスペックへの羨望をさらに強くさせる。
また、それぞれの個性も異なり、今後の長熟インチガワーのポテンシャルに期待を膨らまさせる存在だ。
約300本のラインナップから鈴木氏が見初めた飲み頃ボトルを堪能することができる。
そのラインナップは海外との強力なコネクションと鈴木氏の卓越したテイスティングスキルに支えられており、他店では目にしないボトルも多く並ぶ。
BAR向けのプライベートボトルの創成期から伝説的な評価となっている「GMケルティックラベル ロングモーン」を生み出すなど長く取り組んでおり、その系譜を並べて愉しむこともできる。
2023年11月で創業19年目を迎え、国内に留まらず海外からも多くの支持を集める名店。
テイスティングノート
美しいゴールドカラーで、白桃やプラムを思わせるフルーティーな香り、奥の方にカスタードやバニラ、蜂蜜も感じられる。しばらくするとややワクシーな感じも出てくる。
口当たりは滑らかで優しい。缶詰の白桃、ほのかにキィウィフルーツのジャム、クローテッドクリームなどを思わせる優しい甘さ。
白桃と蜂蜜の優しくて長いフィニッシュ。
少量の加水で、桃の香りは強まるが、味はドライに変化し、ややウッディに。
1:1まで加水すると華やかにはなるが、やや石鹸っぽくも感じるし、味もかなり薄くなる。
ストレートでも十分優しいタッチなので、そのままゆっくりと楽しんでいただきたい1本です。
Tasting comment by Toru Suzuki from THE MASH TUN TOKYO