【キャンベルタウンの歴史と共に。】
かつては“ウィスキーの首都”とも呼ばれた歴史と伝統あるキャンベルタウンで、現存する2番目に古い蒸溜所でもあるグレンスコシア蒸溜所。
今回、そんなグレンスコシア蒸溜所からTHE ULTIMATESPIRITS向けに厳選された原酒は2013年蒸溜、8年間バーボンバレルで熟成されたシングルカスクである。
今も変わらずウィスキー愛好家から非常に高い人気を誇るスプリングバンク、その強い光に相対する力強い影となる存在がこのグレンスコシアではないだろうか。
その堅実な実力は他の地区の人気蒸溜所にも勝るとも劣らず、若い原酒であってもクオリティが高い原酒にしばしば出会うことができる。キャンベルタウンの歴史に思いを馳せながら味わって欲しい1本だ。
GLEN SCOTIA DISTILLERY
かつてスコッチウィスキーの地図においてキャンベルタウンは、“ウィスキーの首都”とも呼ばれ、多くの蒸溜所が存在していた。
グレンスコシア蒸溜所がアーガイルシャーの港町に設立されたのはスプリングバンクの4年後となる1832年。
現存するキャンベルタウンで2番目に古い蒸溜所として知られている。
その後、幾度となく所有者が変わり、閉鎖と再開を繰り返しながらもキャンベルタウンの歴史をスプリングバンクとともに守り続けた希有な蒸溜所がこのグレンスコシア蒸溜所なのである。
テイスティングコメント
【香り】バニラ、フーセンガム、リンゴとみかんが入ったヨーグルト、後からホワイトペッパーをはじめとする新木系のウッディネス、キャンベルタウンの潮風。
【味わい】グリーンレモンやライム、ドライアプリコット、仄かにバナナ、飴玉。溌剌としたフルーツの味わい。桜の蜂蜜とわずかに干し草。
【フィニッシュ】大麦糖、塩キャラメル、後から甘いオークとジンジャーのスパイスが感じられスパイシーに続く。
【コメント】発酵時間の長さが窺える明確なフルーツの香味と豊かなボディ。更には塩味も感じられ、8年熟成ながらにハウススタイルが存分に発揮された1本。キャンベルタウンモルトのポテンシャルはまだまだ深い。
Tasting comment by 北梶 剛